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まるで生贄が来るのを待っていたかのように
「……っ!!」
テレビから発せられる大音量のノイズが身体中に纏わりつく。
けたたましい砂嵐の洪水に飲み込まれながら。
リビングを占拠する大きなソファの上を四つん這いになって移動し、ガラステーブルの上に無造作に置かれたリモコンを手にすると、大慌てで電源ボタンを連打した。
「あれっ? あれっ!!」
チカチカと乱反射する可視光線が白い壁を幾度も駆け巡っては消えていく。
「何で、―――??」
電池の残量がないのか、何度押しても主電源が消えることのないテレビにあたふたしてしちゃって。
「いっ!!」
急いでコンセントからプラグを引き抜いた、刹那
パンッ、―――。
小さなラップ音と共に、光を失くした部屋。
……い、今の……何???
プラグのコードを持ったまま、茫然とその場にへたり込む。
暗闇の中、刺激によって瞼に残された残像と、戦慄く残響だけがこの冷えた空気を揺らしていた。
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