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いち早く事態に対応したのは、傷だらけのサイボーグ兵士だった。
「事態の把握をしろ!」
ハスキーな声には、些かの緊張もなく辺りを警戒する狼のようである。
カーゴベイの状態把握をするのは、先程まで寝転んでいた骸のような居丈夫だ。
「艇内、異常無し。
後方確認良し。
簡易操縦席、チェック不能。
要操縦技能者」
緊急時には、鍛え上げたスキルが働くなあと、観測している。
と、それを察知したのか、狼のような兵士が指示を飛ばす。
「観測兵、操縦技能は有るか?」
俺は、否。と、簡潔に応える。
「工兵、操縦技能は有るか?」
指示を飛ばした狼のような兵士が、小さな女性工兵に詰問する。
女性工兵は、「小官は、操縦技能は在りません」と、
返答する。
狼のような兵士が、「操縦技能を忘れたる可能性が、
大きいが許せ!」と、
何かを決意した、声音で皆に問う。
操縦席に座った狼のような兵士が、皆に確認する。
「生存確認の必要性から各人のコードネームを認識しろ。
私のコードネームはウルフだ」と、操縦席に座りながらも皆に念を押す。
俺は、観測兵としてサブメモリにロックを掛ける。
左腕義手と左目義眼の自堕落なサイボーグ傭兵。
所属部隊が無くなったので廃業中な骸のような居丈夫な兵士は、
ゲンゲンと言うコードネームであると。
AI 搭載型バイクを乗り回すロリッ娘ハンター。小さな女性工兵は、コードネームをマユであると。
そして俺が、
コードネームはイズミンという観測兵であると。
最後に我らの指揮官である。
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