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「安心しな。暗殺なんかじゃないよ」 深く刻まれた口元の皺を更に深くして、キリコは笑った。 「ちょいと強引な、スカウトさね」 さっきまで銃弾の雨を防ぎ、俺を容赦なく殴りつけていた黒くて四角いケース。 その中には懐かしいシルエットが……綺麗な綺麗なクラリネットが入っていて。 「クラリネット奏者を探していたんだ。お前さん、得意だろう?」 俺の銃をぐずぐずに踏み壊して、クソババアは笑った。
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