第一章だけど最終章

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  「表紙から溢れる愛、見ましたか!」 「狼の目にPK…!ん…?貴様、PKさんと呼ばれていたのか。となると、蓋ゆきたさんはあれを「ピーケー」と読んでいたのだろうか」 「そこは気にするところじゃないでしょう」 「気になるのだ。…しかし双子の艶めかしさが何とも…。ピエロのお面も生々しい」 「この双子、私の小説では十歳くらいの設定にしてしまいましたが、実はきょぬーらしいですよ。ばいんばいん!」 「何ぃ…!?」 「ちょっと…!机をガタガタしないでくださいよ。麦茶が零れちゃう」 「すまん」 「タイトルのシャッフルも楽しかったですね。他チームで気になったタイトルは『主が与えた一打席、奇跡よ鳩とともに・・・。』です。じわじわくる…!鳩がじわじわくるのです!」 「うむ…内容が気になるタイトル。タイトルだけで本を選ぶとすれば、これほど読者の好奇心をくすぐるものはない。これは新田遼さんが付けたタイトルだ。なんてセンスだろう。恐ろしい人がいたものだ」 「耽美的なタイトルもありました。『泳ぐ魚は香りを放ち僕は日暮れに蜘蛛を待つ』。あ、これは卒業制作で暴走中の岡田朔さんですね」 「これは美しい。まるで詩のようだ。暴走する人とは思えんな」 「思えませんね」  
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