第1章

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ハッタリが上手で毎回逃げてばかりの俺八澤麻都(やつざわまつ)。高校二年だ。俺は強いわけではないが弱くもない。ハッタリをかましているが、学年でトップ3の中に入る実力派だ。なぜハッタリをかますかは後になってわかることだが、俺のハッタリの一例をあげようではないか。くだらないことだが。 まずひとつは「俺はどんな実弾だってよけられるんだ」ってハッタリ。普通の人間が実弾をよけることができるのかな。ましてや、何の訓練も受けてないのに。二つ目は「将来俺はこの世を支配しているだろう」ってことだ。ま、このことは子供(今も子供だが)の時に言ったことで、それを現実にさせるために頑張って学力をあげていたことは、事実なのだが内緒にしておきたい。三つ目は「俺は危険になったら透明なって逃げる」ということだ。人が透明になるにはすべての光を反射するか、カメレオンみたいに風景と同色に変えるかなのだが人間の技ではない。そんなことができるのは、もう神に近いのかもしれない。まだまだハッタリはあるのだが、こんな俺のハッタリを本当にしてしまう力が俺に目覚めるなんて。 「おはよう」「ハッタリ博士が来た」「今日のハッタリは何かな」「楽しみ」 ハッタリ博士というのは嘘をみんなの前で堂々という事と頭がいいことから来ているらしい。本人が本当のことを知るわけがないだろう。誰だって嘘をつくのが人間だ。俺は信じようなんてしたことはない。ただ乗っかっているだけだ。乗っかったら面白いだろ。面白いことが大好きだから仕方ない。 「今日の俺はひと味ちがうぜ。」「おお」「なんと今日俺は精霊にあい最強の力を手に入れるのさ」「最強の力、」「そうだ。俺はその力を使ってこの世界の悪を倒す旅に出る」「悪を倒す旅」「そうだ。この世の中は貧困が多い。戦争を絶対に止めてやる」「さすが」「偉いね」「神だこのハッタリ博士は」「ゴッドハッタリ」「俺様をたたえよ諸君」「おお」 先生が来た。 「ハッタリやつざわ今日もハッタリをかましているのか。お前の度胸にはかなう奴はいないだろうな」「玉砕教授が来た」「玉砕教授。なんだそれは」「本人の前でいうことではないだろ」 玉砕教授とは俺が先生につけたあだ名だ。俺のハッタリを一瞬で止めるので玉砕。それに先生をつけたいところだが、かっこよくないから教授。
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