第1章

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「でも、俺はお前に完敗したからなんて言おうが認めざる得ないな」「そんなこと別にいいんですよ。自分が勝手にハッタリをかましているんですから」「そうか」「はい」「なら、これからも問題は出していいな」「え、ええと」「ま、今回よりは簡単になるだろうから安心してくれ」「わかりました」 よかった。でもなんで高得点を取れたのだろうか。謎だな。そんなこと考えながら家に帰ることにした。 帰り道にゲーセンによってUFOキャッチャーをして適当にぬいぐるみを5つ取って帰った。UFOキャッチャーの原理を考えれば取るのはそこまで難しくはないと思う。店員には「貴女凄いね。こっちはあなたが来ると儲けられないよ」と言われるほど。でも、他の人のおかげで儲けているんだからいいとは思う。ゲーセンの話は別にいいとして、本題はその後のことだ。家に帰っても暇だろうから公園のベンチに座って寝ていた。ねるのはとても好きだからな。その時、ふと起きて空を見たら何か空に小さいものが見えた。あれは一体なんだろう。生きているのか動いて見える。あの後ろの羽は蝶か。いやあんな虹色の蝶は見たことがない。それに蝶にしてはちょっと大きいな。それにあの姿は人間に近い。ってか顔自体どう見ても人間だ。あれ、なんか近づいてきてないか。いや、本当に近づいてきている。しかもすごく早い。なんていうか隕石の早さって感じかな。重力のせいなのか。俺のところに近づいてきた。逃げるべきか。いや、面白いからここにいよう。ついに地面に足をつけた。実際見ると背は俺と同じぐらいか。小さく見えたのは遠近法のせいか。 「あなたがリアルマスターですね」 俺に近づいてきた美しい後ろに羽のはいた女性は言った。リアルマスターって誰だ。 「人違いではないですか」「あれ違うのかな」「違いますよ。俺はハッタリ博士とか言われますけど」「ハッタリ博士って名前ですか」「いや、本名は八澤麻都だが」「八澤麻都さんですか。私の間違えだったようですね。私は言ったことを現実にできるリアルマスターに会いに来たんです」「そうですか。後ろの羽は何ですか」「何って私は精霊ですよ」 精霊って。現実味がないな。あれ、俺ってたしか精霊に会って最強の力を手に入るとかハッタリをかましてなかったか。
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