第1章

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「精霊って本当にですか。現実味がないことをいいますね。後ろの羽ってどうせコスプレなんでしょう」「そんなことないですよ」「じゃあなにか力を見てせくれませんか」「いいでしょう。私の力は想像したものを現実にする力です。私はあなたの近くに金貨が落ちていると想像しましょう。見ていてください」「金貨。現実味がないな本当に」「じゃあとなりを見てくれませんか」「となり。あ、金貨」 そこには今さっきまでなかった金貨があった。凄い。そんなことより。 「なんか羽が目立って歩いている人の目線を多く感じるので羽をとってくれませんか」「私は精霊ですよ。そんなことはでき」 すると羽が消えた。できるじゃん。 「なんで羽が消えたのでしょう。私は外してないですよ」「え」「っていうより、外せない筈です。もともとついているものなので」「だって取れたでしょう」「確かにそうですね。文字化けして」「はい」「なんか現実にありえなそうなことを言ってくれますか」「何故」「お願いします」「じゃあ、この公園で殺人事件が起きる。そして俺がその犯人を取り押さえるのだとか」「なんか凄いハッタリですね」「恥ずかしいからあんまり」「きゃあ」 女性の叫び声が聞こえた。何が起きたんだ。よく見ていると血だらけの女性が倒れている。殺人事件が起きたのか。 「やはり」「いまなんて」 犯人がこっちに走ってきた。真面目にやばいな。ここは逃げるべきか。俺は立ち上がって走り出した。 その犯人は俺の後ろをついてくる。真面目に怖い。俺は刺されるのか。必死に逃げたがつまづいて転んでしまった。やられると思った。でも犯人は俺につまづいて転んでしまった。俺に重なるように転んだから重い。 「重い」「すまんな。そこの坊主」 犯人は立ち上がって逃げた。刺されなくてよかった。 「犯人を取り押さえなくていいんですか」「何を言っているんだ。普通の俺に出来るわけないだろ。怖いし」「あなたが押えないとこの犯人はつかまりませんよ」「警察がやってくれるさ」「やってもつかまりませんよ」「なんでわかるんだ。」「あなたの言葉が現実になったんですから」 何を言っているんだ。真面目に良く分からない。
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