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「馬鹿な!幽霊船だって?まさか、デーヴィージョーンズの船か?」
「いや、まて。まず、なぜそれが幽霊船だとわかった?俺はそれが知りたい」
「あの船は突然現れて消えたんだぞ?幽霊船じゃなかったらなんだったんだ?見たのは俺だけじゃない、クラシキも見ただろ?」
濃い霧が貿易船を包み込む。
その甲板では男たちが集まり、騒いでいた。
「ああ!本当に消えたんだ!ボロボロの船だった。あんな帆であのスピード出せるなんて幽霊船しかありえねぇよ」
「でも空砲は鳴らしたんだ。噂が本当なら、俺たちは大丈夫ってことだろ?」
「いや、それが俺たちが空砲を鳴らしたのは幽霊船は消えた後だったからな。遅かったかもしれねぇ。」
わいわい言い合う男たちを僕とセナは少し離れて見ていた。
「デーヴィージョーンズの幽霊船か、、、すっげぇ昔に噂が流行ったんだが、それが懐かしいな。というか、あの噂は本当だったということか?」
僕の隣に立っていたセナがぽつりとつぶやく。
デーヴィージョーンズの呪われた幽霊船の話なら、僕も聞いたことがあった。その幽霊船と遭遇した船は呪われる。深い霧の中を何日もさまよい、船の船員は一人ずつ死んで消えて行く。最後には誰も残らず、船だけが残るというものだ。
どうやら、みんなが言うには僕らが乗っているこの貨物船、SPEEDも呪われたようだ。
「ヨナ、お前は幽霊とか信じてるか?」
「うーん、なんとも。霊感ないし、みたことないからね、、、セナは?」
セナが口を開けかけたと同時に甲板中央の部屋の扉が開いた。
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