第二の太陽

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「そう言うこと…?」 僕は思わず聞き返していた。 「教授は、僕達が…人間がウイルスだ、と…?」 「そうだ」 教授は短く、淀んだ目で答えた。 「…それは…地球にとって、ウイルスの様なものだという事ですか…?」 そんな教授に、すがるように訪ねる僕。 「…」 教授は目を瞑り、何か考えている。 「…君は」 しばらく考えた後に話始めた。 「自分が住んでいる場所が何処なのか、考えたことはあるかね?」 「え、住んでいる場所…?地球…では…」 「そうではないよ。もっと、もっともっと、広い範囲で考えてみてくれ」 もっと広い範囲で…? 「それは…宇宙の、話…ですか?」 「そう、宇宙だ。宇宙とはどんな場所か、考えたことはあるかね」 宇宙… 暗く、寒く、広く。 そして、今も膨張を続けているという、宇宙。 「しかし、その宇宙の正体は何だと思うかね」 「正体?」 「そう、正体だ」
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