第二の太陽

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「よく来てくれた」 教授は僕を快く迎えてくれた。 しかし、心無しか表情はあまり明るいとは言えなかった。 「お久しぶりです、教授。半年ぶりですね」 「ああ。私も研究で忙しかったものでね」 「なるほど。相変わらず研究熱心ですね」 「まあ、そのせいで後悔する事も多々あるがね」 「後悔?」 教授はそこで溜め息をついた。 興味を惹かれるようで、どこか恐ろしい、暗く、冷たい… そう、それはまるで深海のように深い溜め息だった。 「ああ、後悔だ。こんな事になるならば、こんな事を知るならば研究などしなければ良かったという、ね」 僕には理解出来なかった。 これまで教授が行ってきた研究は、どれも素晴らしく、そんな後悔とは無縁に思えたからだ。
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