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期末テストを終え、来週はそのテストの返却。そして、大掃除に終業式。
迎えるのは冬休みと……クリスマスと、新年。
ああ、なんか……寂しいなって思っていた金曜の夜。
明日、明後日は何をしよっかなって頭に思い巡らせていた時だった。
電話が、かかってきた。
「もしもし、総司……?」
『あ、こんばんは。蒼……ケホッ……今は電話しても平気?』
掠れた声と、少し遠慮ぎみに吐き出された咳。そして、どことなく弱く聞こえる声色。
総司は、体調が悪いって直ぐに思った。
「大丈夫やで、てか……風邪ひいてるん?」
『え、あ、ちょっと軽めの風邪をひいてて』
「軽めの……風邪? 大丈夫なん?」
『大丈夫! ケホケホッ……大、丈夫です』
「いや、大丈夫そうに聞こえへんけど……?
電話、どうしたん?」
体調が悪い総司から、かかってきた電話。
住んでる場所が離れてることもあって、週に何度か電話はしてるんやけど。こんな体調悪い時にまで電話なんて……。
『大丈夫。心配ありがとう。電話は、たいした用ではなくて。
あの……クリスマスは……何か予定があるかなって』
「……クリスマス」
クリスマスと聞いて、私の顔が歪む。
変態晋作に、クリスマスは空けろとしつこく言われてるんよなぁ。
“ 蒼たんと結ばれる素敵な日にするから、クリスマスは絶対に空けろ! 間違っても他の男との予定なんか入れんじゃねぇよ! ”
“ 誰が結ばれるねん! こっちにも選ぶ権利があるんやから!”
“ 俺を選ぶ権利しかねぇ!”
“ それ権利ちゃうやろっ!? むしろ、拒否やから! そんな権利は放棄するわっ!”
学校で、ずーっと晋作にしつこく言われてるんやけど……わざわざクリスマスに会うんが晋作ってのがイヤで。
だって、晋作は……、
“ 蒼たん、そんな照れなくても良いって。本当は、俺と愛を育みたいんだろ? ”
変態で……。
しかも、私のことを好きなんて言うから……。
恋愛における好きってのが分からん私には、応えられへんからこそクリスマスは一緒におりたくないねんよな。
クリスマスって、キリストの誕生祝いやのに……恋人の日みたいなイメージやもん。
応えられへん私には、晋作とクリスマスに遊ぶことが躊躇われる。
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