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「何が」
「俺の恋愛ってただれてる?」
「……っぷ、なんだよそれ」
あ、ちょっと航也くん笑わないでくださーい。
ダークな色合いの衣装で、ちょっと大人っぽい雰囲気での撮影。
俺の言葉に吹き出した航也は、すんません、と一言謝ってすぐに緩んだ頬を引き締めた。
…さすが、人気俳優。主演男優賞をとっただけある。
「お前マサキちゃんとまた別れたのか」
「いや、あれから別れてないよ」
「あれっていつ」
「先月、アイスで喧嘩したやつ」
「…俺それ知らねえ」
いや、まぁしょうもない内容だから知らなくていいんだけど。
帽子の中でボソボソつぶやけば、航也はちょっと面白そうに肩を揺らして俺にもたれかかってきた。
横目でちらっと見れば、やつは顔を上に向けて何だか艶っぽい雰囲気を醸し出している。
白い首筋がなんかエロい。
「で、お前また他の女にちょっかいかけたのかよ」
「俺がかけたんじゃなくて女の子が寄ってきたの」
「何日喧嘩してたわけ?」
「3日」
「で、何人の女と会った?」
「…4人」
「…ただれてるな」
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