4人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言われてみれば、サキの眉が少し下がっている気がする。
このリスはただサキの言葉を伝えているだけなのだろうか。それともよほど細かいことにまで気がつくのか。
「サキ、まずは俺のことは気にしなくてもいいよ。サキのが体調がいいのは俺も安心だ。
あと、…その、力を使うのは怖くないのか?
俺は獣使いについてあまり知らないから…。
そんなに気にすんな」
それを聞いて安心したのか、サキが笑顔になった。
まだ一つ気になることはあるが、それは今じゃなくてもいい。焦る必要はない…と、思う。
「サキ、何か欲しいものとかないか?腹へってんだろ」
若干話題をそらしながらも、積極的に話しかけていく。
今はサキが先決だ。
「……できれば何か暖かいものが欲しいそうでやす」
「そっか。じゃあちょっと待ってて、すぐに持ってくる!」
俺は部屋を飛び出した。
あったかいもの…あったかいもの…
頭に思い浮かんだのはやはりいつの日かのアレだった。
最初のコメントを投稿しよう!