第1章

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自分の部屋に駆け込んだサキは、ドアを閉めるなり、その場に座り込んだ。 と、同時にドクンドクンと身体に鳴り響くサイレンのような音に耳を澄ませた。 ーー落ち着け。落ち着け。 そう心に唱えているのに、その音は一向に鎮まることはなく、 むしろ高鳴っているような気がする。 ーー落ち着け。落ち着け落ち着けー!! 半ば叫ぶように胸を押さえて膝を抱えて横になる。 だが、 「ーーっ!ー何、これ、苦しッ! アッ、ーーカッーー!」 不意に呼吸が止まったように感じて、サキは首元をかきむしった。 そこに、サキの背中にーードアに何かが体当たりするような衝撃が伝わった。 しかし、それに構わず苦しくて苦しくて、サキは意識を手放した。
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