第1章

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冬馬は息をつめてそれを見つめた。 やがて、光がだんだんと何かの形になり、しばらくサキの手の上でウネウネと形を変えた。 ひとしきり動いた後、光は何事もなかったかのように溶けるように消えると、 光の中心にいた何かが姿を現した。 それは一声鳴くなり、サキの手から離れ、サキの肩に移動した。 すぐにサキの腕は支えを失ったようにズシンと重くなった。 冬馬はその重みを感じながら、サキの肩のそれを目で追った。 「こ、これは…リス?」 小さな顔に対して大きな黒い瞳。きゅるんと可愛らしく丸みを帯びているしっぽ。 よく動くその目が冬馬を認めるなり、小さな体で冬馬に威嚇した。 「おい、お前! 俺のご主人様に何した!?」 「え、しゃべ…喋った…」 「うるさい! さっさと質問に答えろ、このケダモノ野郎!!」 キーッと喚くリスに、サキがゆっくりと首を捻って、 あろうことかその騒ぐリスの首を噛んだ。 リスはビクッと体を震わし、騒ぐのを止め、今度はサキに文句をつけた。 「な、何をするんですかい!?」 サキは怒ったようにリスを見つめると、明らかにリスがシュンと大人しくなった。 「それなら早く言ってくださいよ…」
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