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「何がどうなってるんだ…??」
冬馬がそう呟くと、それを聞いたリスが答えた。
「さっきは悪かったな。
何しろ身体が小さい上、お前のようなデカブツには警戒してしまうのだ。
それにワレはかわいいのでな!
あはははは!!」
そう一匹で小さな胸を張って高笑いをすると、
しばらくして笑いをピタリと引っ込め、どこか訝るように目を細めた。
「なんだ、お前。ノーリアクションとはヒドイのう!
なんか反応しろよ、おもしろくねー」
「お前、何?サキの召喚術か、何かか…」
「ああ、そうだ。ワレのご主人様はサキ様じゃ。
お前、なかなか察しがいいのう!」
リスはヒクヒクと鼻を動かすと、今度は冬馬の手に乗った。
「え、おい、ちょっと…」
「いいか、よーく聞け!
ワレは、誰よりもかわいくて機転の利くリスのマロだ!
どうだ!この名前はサキ様から貰ったのだ。
なかなかいい名前じゃろ?」
そう一方的に喋ると、クセなのかまた鼻をヒクヒクと動かした。
「あ、ああ、いい名前だね…」
「そうだろーそうだろー。
何せサキ様が名付けてくださったのだからなぁ」
マロは何気なくチラリとサキの方に目をやると、『ゲッ』と声を上げた。
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