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第1章 自己紹介は前屈みで
序文
この物語を語る上で、まずはこの世界について話しておくべきであろう。
西暦2000年代前半、世界中のあちこちに突如として後に「ゲート」と呼ばれる巨大な魔法陣が出現し、そこから異形の者達が徒党を組んで侵入してきた。
彼らはこことは違う世界の住人であり、僕らはこの世界以外にも生命が住まう世界が存在したことをその時初めて認知することとなる。
初め友好的な態度で接しようとした人間。しかし、彼らは有無を言わさずに人間達を侵略し始めた。
彼らの技術力は凄まじく、不思議な力を持つことも相まって人間はあっという間にその数を激減させ、最早抗う術を無くしてしまう。
すると粗方の「掃除」が終わった彼らは、人間達を一箇所にまとめ、それらを持ち前の技術力で「管理」するという形で人間の生存を認めた。
そう、彼らは作ったのだ。従順な者には「理想的」な、完璧な社会を。
その目的は分からない。
けれど、僕らは服従し、管理され生きる道を選んだ。
いや、ただ逃げただけなのかもしれない。抗い、最後まで戦うことから。
とにかく、これが、人類史上最後となる人間の「選択」であったことは、言うまでもない。
この空虚な繁栄は、これから何時まで続くのであろうか。
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