クリスマスの始まりは教室で

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 時計の針は意地悪で、二人の時間はあっという間に過ぎていく。  イルミネーションの街中を歩きながら見付けたおしゃれな喫茶店で。  暖を取りながら、違う種類のケーキを注文して、食べさせ合った。  恥ずかしかったけど、わたしより遼の方がずっとずっと赤くなってた。  カラオケに入った。  はてなくんが言った通り、遼は女性シンガーの歌をリモコンでぐぐっとキーを下げて歌った。  それでも声は素敵だったから、おねだりしてラブソングを熱唱してもらった。  ジュエットもした。  ふと間が空いて、見つめあった瞬間に何かが弾けて、歌い手のいない曲をBGMにして、たくさんキスをした。  ゲーセンにも行った。  記念のプリクラが欲しいとねだったら、二人とも最新機能に全くついていけなくて、中途半端にらくがきされたものが幾つも出来上がって、二人して声をあげて笑った。  「半分こしよう」と言って、遼がはさみを握ったものの、まっすぐに切れなくて、やっぱりまた笑った。  スマホの裏側に二人してペタッと貼り合って、気付いたら遼のメタリックシルバーのカバーが一気にカラフルになった。  粉雪はいつの間にか雨に変わっていて、夢の終焉を迎えるみたいに、べしゃべしゃに踏み荒らされて汚くなった雪だまりが道路脇に溜まっていた。
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