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「んで…」
学校では滅多に開くことのない口はパサパサに乾いていて。
最初の言葉がかすれて言葉にならなかった。
「どうも、鹿賀くん」
そう言う瀬口先輩は、どこか『ごめんね』と言いたげな顔のまま笑顔で俺を見ていた。
俺はすぐさま瀬口先輩のいる方向─────…
いや、帰る方向へ足を進めた。
このまま先輩の横を何もなかったかのように通り過ぎれば完璧だ。
なんて手、先輩に通用するはずもなく…。
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