始動

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ここからは下り阪だ。 1つ目よりRがキツいのでブレーキングし2速へシフトダウン。 ややブレーキを引きずりつつステアリングを右へ。 荷重のかかった極太フロントタイヤの強大なグリップ力により直進しようとするベクトルをへし曲げる。 クリッピングポイントを通過後、ぐっとスロットルオープン。 リアタイヤがアスファルトを蹴り、僅かにスライド。 西条はステアリングの舵角を瞬時に1/5程に減らし必要以上のオーヴァーステアの発生を防ぐ。 最小限の操作と時間でリアタイヤのグリップを回復、次の左コーナーはノーブレーキでステアリング操作のみで進入する。クリッピングポイント通過後2速が吹けきり、立ち上がりつつ3速へシフトアップ。 まだまだ横Gが掛かっているのて優しくクラッチを繋げアクセルを開けるが弱オーヴァーステア。 大きくは流れていないのでスロットル開度は一定のまま僅かなカウンターステアを当てコーナーを脱出した。 少し下っている長めのストレート。 530psのエンジンはすぐに3速ギアを吹け切らす。 4速へシフトアップ。 Rの大きな右コーナーが近づいてくるが西条はフルスロットルで淡々と加速する。 320km/hスケールのスピードメーターの針が180km/hを超えた所でフルブレーキング。 フロントの対向6ポッド、リアの片押し2ポッドの日光制動製のキャリパーが一気に車速を殺す。 NS4-45の最上位グレードの NS4-45R にはノーマルで過剰な性能のブレーキシステムが搭載されているので西条はブレーキシステムの改造はパッドの交換のみ行っている。 金は持っているが、片っ端からカスタムパーツを入れるのでは無く、純正で使える物は使うのが西条のクルマいじりのポリシーだ。 因みに計器メーカーで西条が装着している追加メーター、NS4-45Rの純正メーターの製造業元の日光精機とキャリパー製造元の日光制動は同グループの企業だ。 これまた純正装備のディスクル製のスリットローターが真っ赤に焼ける頃に3速へシフトダウン。 勿論ヒール&トゥを駆使してだ。
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