始動

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走り慣れた地元の走り屋でも気が遠くなる様なスピードで進入。 路面グリップが良くなく、ギャップもあるのでインベタのラインでクリア。 この右コーナー出口から一気に勾配がキツくなる。 スロットルをワイドオープン。 下り阪を駆け抜ける。 かなり緩く左に曲がったストレートかコーナーか分類に迷う区間。 一瞬で3速吹けきり4速へシフトアップしフルスロットル。 急な下り坂というのもあり車速は瞬く間に180km/hを超える。 緩い左に隠れていたコーナーが見えてきた。 この速度域からしたらキツい左コーナーと普通にキツい右コーナーだ。 そのS字が見えているにも関わらず西条はまだ加速を止めず5速へ。 スピードメーターの針が220Km/hを指すと同時にハードブレーキング。 ヒール&トゥで4速へ…まだまだ車速は殺し切れていないが減速しながら左コーナーをクリア。続く右コーナーをクリアするには車速は速い。 ブレーキペダルを一度も離すことなく引き続き減速。右コーナーへアプローチ開始しつつヒール&トゥで3速へシフトダウン。 過重の乗ったフロントタイヤのグリップを存分に発揮し旋回を始め、クリッピングポイント直前でやっとブレーキペダルから爪先を離す。 このコーナーもギャップがあるのでインベタのラインで脱出。車線いっぱいいっぱあるアスファルトの亀裂を通過…前後共に50cm程アウトへ流される。 文字にすると長いがほんの数秒間の間の壮絶なマシンコントロールを平然と西条はやってのけた。 通常のマシンとドライバーならばこんな突っ込みをすればリアタイヤへの荷重が不足しオーヴァーステアを誘発、減速し切れずスピンしてガードレールか壁へ、スピンしなくても止まり切れずにやはりガードレールか壁行きだろう。 この西条仕様のNS4-45Rのエアロとウイングが生み出す強大なダウンフォースと理想的な前後重量バランスとセンターマスによる高いスタビリティ、それらにより可能な強烈なブレーキング、そして西条の天才的なドライビングテクニックがあるからこそのコーナリングだ。 次はこの峠で一番速度の出る長いストレートへ繋がる左、右の高速S字だ。左コーナーはアクセルを少し戻す程度でクリア。次の右コーナーの前に3速が吹けきるので4速へ。
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