第0話『プロローグ』

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 裸の王様と呼ばれようがドン・キホーテと笑われようが、アタシみたいな子が生まれたときに、困らなくてすむように、全部書きつづってあげたい。  アタシも去年、王様になった最初は途方にくれたから。  恥ずかしい話、アタシは女王になってまず、手首を切ろうとしたから。寂しすぎて。  女王になってから今日までの日々は、女王になる前の1000億倍、寂しい。という事実。  今だって死ぬほど寂しい。  だけど今はもう慣れた。この孤独に。  この物語がアタシの妄想なのか、本当の話なのかは、アタシのようになった人間だけが分かる。  アタシのようになった子だけに伝わればいいって、思ってる。  孤独で味方は自分だけな、好きな男の子も何もかも手に入らない女王様の物語、はじまりはじまり。 (第1話に、続く)
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