#06.sprout

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「つーかよ、がっぽり稼いでいるんじゃないのか? だから悪口を言った人間にまで礼を言う余裕があるんだろ? なあ? ……いくらよ?」 「急にどうした!? 恥ずかしいついでに聞いちまえって感じなのか!?」 「うるせえ、あれは忘れろコーシー、つかよお前だって気になるだろ? で、年収いくらなんだ? 百億万円くらいか?」 「そんな小学生みたいな単位を……!!」  小相木さんは口もとに指を当てながらしぶしぶといったていで。 「えー、もう、ほかの人にはナイショにするんだよ……………………百兆円」 「……国家予算か何か?」 「声優と歌手でそんなに……すげーな!!」 「信じるの!?」 「やべーな、声優もやるしか……」  あの演技力じゃムリなんじゃないかと思う。『ええい!』だもんな『ええい!』。というか『声優も』って言ったけどまず歌手ではないだろうに。  突如、小相木さんは人さし指を突きつける。
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