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「それで、こうやって謝罪したし許してもらえるのかな?」
「よし、オーケー、許した」
「よかった」
「つーことで、文化祭では良い演奏を期待しているぞ!」
ああもう、ホントにこの子は誰目線だよ。ホノアカクサクは自分が育てたみたいな顔してるし。
対してわたしはひと言。
「がってんしょーち!」
わたしも誰なんだと内心でつっこみながらそう返した。
椅子から立ちあがりかけた彼女に向けてわたしは思いつきを口にする。
「あ、そうそう、後藤さん、」
「なんだよ?」
「名前のまんなかとってトートーって呼んでいい?」
一瞬だけ間が空いた。
「水まわりはおまかせみたいじゃねーか! まかされても困るわ!」
「ちがうちがう、あっちとは発音がちがうからいいの!」
「……もうなんとでも呼んでくれ」
「そうするよ。そんでさ、もしトートーが正式に文化祭のステージに立てることになったら、演奏してくれる?」
今度は、かなり空いた。
「……かんがえとく。つかもう帰る、そんじゃあな。――――――――のんちゃん」
「うんっ!」
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