1895人が本棚に入れています
本棚に追加
/651ページ
「俺たちはチームだ。お前一人が抱え込むことじゃない。…手を抜けってんじゃない。俺たちを頼りにしろって言ってるんだ。書類は里にも手伝わせろ。黒川だっている。…じゃないと大きくなった娘さんに要らないって言われるぞ。奥さんも、いつもお前が居ないんじゃ可哀想だろ?」
夫婦間のトラブルから発展した事件が続いただけに、課長の説教にも熱が入っている。
「…言われたんすか?」
しかもフィクションじゃなさそうだ。
「…昔な」
紫煙を吐き出すと、課長は短く答えた。
「でも課長こそ、バリバリ仕事してるじゃないですか」
若い俺たちに任せればいい現場仕事も、率先してこなす。
まぁ、帰宅時間は俺たちよりは早いが。
「それなりに、だ。若い頃ほどじゃない。…お前見てると、不安になるな」
最初のコメントを投稿しよう!