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◇◇◇
家に帰ると、いつもついているはずの玄関の明かりが消えていて、ひっそりと静まり返った感じが、寒々しく感じられた。
「ただいま」
結局、事務処理に追われて遅くなってしまった。
おそらくもう眠っているだろう二人に配慮して小さく呟く。
家の中に入っても、寒々しさは続いていて、いつもとどこか違う雰囲気に俺は首を傾げた。
なんだろう…。
しんとしているのはいつものことなのだが、どこかそれだけじゃない違和感がある。
遅くなった日は、眠る二人を起こさないように、リビングのソファーベッドで眠るから2階に上がることはない。
けれど、どうしてもまとわりつく違和感が拭えない。
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