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「は、はは。…なんだ、これ」
乾いた笑いが響いた。
朝は、いつも通りの部屋と、悠里だったはずだ。
なのに、なんで…。
意味が、分からない。
真っ白になった頭では、何も考えられなくて。
紙切れを、握りしめる。
くしゃりと潰れたその紙には、離婚届と書いてあった。
「意味が分からない」
呟いた声は、誰もいない室内にポツンと落ちた。
今朝、美優の入園式の話をしたばかりだったのに。
ケータイ…。
混乱する頭で、ぼんやりとそう思って。
尻のポケットから、ケータイを取り出そうとして、床に落とす。
思いの外、手が震えていたことを知る。
拾い上げて、ケータイを開く。
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