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「新城玲音だよ。お前あいつのファンに恨み買って、階段で押されたらしいぞ」
テレビではあまり詳しく言ってなかったが、事務所に電話をかけた時、少し興奮気味の女性がそう言っていた。
まぁ、真偽のほどは確かではないが。
「路上でキスなんかするからですわ。歌唱指導してるときとか、いくらでも二人きりでいることなんて…あったでしょう?」
沙耶香はさらに言い募った。
ずっと…好きでいるんだと陵介は思っていたけれど、沙耶香はもう半ば諦めているんだと、その口ぶりから確信した。
何せ、今回はきっといつもの相手とは違う。
本気の相手なんだと、陵介も何となく感じていたから双子の沙耶香も同じように思っている可能性は高い。
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