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◇◇◇◇ 狭いソファから飛び出した足に、なにかが当たって目が覚めた。 「相沢、お前また泊まったのか?」 寝起きでぼぉっとした頭のまま、苦言を呈した人物の顔を見る。 「あぁ…おはようございます、課長…早いっすね」 寝癖のついた頭をがしがしと掻きながら、身を起こす。 狭い場所で眠った体はあちこちからバキバキと音を立てた。 そんな俺を見て、課長はため息をついた。 「いつも通りだよ。…相沢、お前一回帰れ」 「…面倒っす」 「なに言ってんだ!この真裏だろーが」 あれから。 俺は買って1年住んだだけの家を売り、署の真裏のアパートに引っ越した。 悠里からは新しい離婚届が郵送されてきて。
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