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何か、見てる?
ずぶ濡れの警官が気になってオレは目を細めた。
走っていた足も自然に止まる。
視線の先を、辿る。
家…?
そこには二階建ての戸建の家があって。
激しい雨に白んで、よくは見えないが…売家の看板がかろうじて見てとれた。
もう一度、警官に視線を戻す。
彼はもうその家を見ていなくて。
俯いて、何かを耐えるようにぐっと拳を握りしめた。
雨が。
激しく降っていて、
景色は白く霞む。
表情なんて、見えるはずないのに。
何故か。
泣いているんだと、そう…思った。
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