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…若かった、ということなんだろうが、今となってはどうかしてたとしか思えない。
「仕事、好きだったんだろ?…俺だってこれから忙しくなるし、遅くなる日だってあるし。だから」
陵介は、決めたと言った。今までのようにはいかなくなるだろう。
だから俺にも我慢したり妥協する必要はないと、そう言ってくれているのだ。
けれど。
「うん…でもね。今はホント、陵介より仕事が好きだなんて思えないんだよね。刑事に戻って家に帰ってこれなくなるくらいなら俺は料理教室に通う」
「なんだそれ」
同じ時間を使うなら、陵介のために使いたい。
陵介がどう言おうと、それが俺の本心だった。
「だってせっかく料理するなら美味しいもの作りたいし。…だから俺のことは気にしなくていいんだ」
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