3話『女王の恋』 (12月20日の日記)

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3話『女王の恋』 (12月20日の日記)

第3話『女王の恋』 (12月20日の日記)  毎日、キラキラ生きてる?  それとも、死んでるみたいな毎日?  アタシは生きてるの? 死んでるの?  アタシはずっと、そういうことを考えてしまう子供だった。  さて。  アタシの高校には指定の制服がない。  なので生徒は思い思いの格好で登校していい。  だけど毎日私服で登校するのは、お小遣いの少ない高校生にはハードルが高い。そんなに服のレパートリーがない。毎日そこまでお洒落を頑張れる自信がない。  というわけで、うちの高校のみんなは、思い思いの制服を買って着て、登校してくるので、朝から正門前は、カラフルな制服の子達で賑やかだ。  比較的ブレザーの子が多いけれど、アタシはセーラー服が好きだ。地元の制服屋さんで買った。リボンは日によって、気分で変える。赤や青や緑。今日は白いスカーフ。 「あい、おはよ」と、いつきちゃんが正門を入ったところで、アタシに追いついて来た。 「おはよ」と、アタシはうなずく。  いつきちゃんは子供の頃から黒目が大きくて、かわいい。  今日のいつきちゃんは白いブラウス、赤のカーディガンに紺のリボン、紺のブレザー。短い丈の、グレーに紺チェックのスカートもかわいい。  いつきちゃんは暑がりなので、今にも初雪が降るというこの12月20日に、まだコートを着ていない。
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