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雪ノちゃんがよろけ、その場に尻餅をついた。
「あ」とアタシは声が出る。
コーキ君は雪ノちゃんを睨み、アタシの横を歩き、その場を去ってしまった。
雪ノちゃんは尻餅をついたままコーキ君を見送り、再びアタシを見上げる。
「あい、あんたがコーキに何をしようとしてるのか知らないけど…………」
「…………。」
「ゆきのがコーキを守るから」
雪ノちゃんはそう言って、じっとアタシを睨んでいる。
雪ノちゃんはお人形さんみたいに白くてかわいい。
雪ノちゃんは睨めば睨むほど、綺麗な顔立ちがより引き立ち、美しい。
雪ノちゃんの白さは、まるで、死人のようだ。
血の通っていない、ゾンビみたいな、白さ…………。
アタシはその場で、メデューサと目が合って石にされた子みたいに、動けなかった。
(第4話に、続く)
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