第1章

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「念のため来月の六日七日に改めて検査入院してもらいますが、それ以外は特にありませんので、普段どおり過ごしてください。もちろん学校にも通っていただいて構いませんし、体育の授業とか運動も本人が問題ないと思えばして構いません。念のため貧血の薬を七日分出しておきますので、退院の手続きをする時に一階の受付でもらってください。薬だけしっかり飲んで。あとは、よく食べてよく寝るようにしてください」  そして、よくセックスを、オナニーをする。そうでしょう? 榊先生。 「このたびは本当にありがとうございました」母さんが馬鹿の一つ覚えのように感謝の言葉を繰り返す。 「それでは今回はこれで。部屋に戻って片付けが済んだらそのまま退院してもらって大丈夫です。薬とお会計は一階ですので」 「ありがとうございました」おれは立ち上がり、しっかりと頭を下げた。この人には、本当に世話になった。そして、これからも世話になるのだろう。   「何だ、せっかく見舞い来たのに全然元気そうじゃん」  開け放したままのドアから、ちょうど片付けが終わった部屋に入ってきたのは多田だった。黒いスラックスに白いYシャツ。ボタンは胸元まで開けている。なかなか気合の入った格好である。多田は、同性から見てもいい男だった。そういえば今日は土曜日。学校は休みだ。 「お、おう。ワリいな、朝からわざわざ」ベッドの横に立って忘れ物がないか確認していたおれは少し驚いて言った。 「もう片付けも終わったんだ。早いね」  続けて入ってきたのは香奈だった。ジーンズに黒とピンクのワンピースを重ねていた。服の下の肌に、おっぱいに乳首に女性器に、昨日は直接、好きなだけ触れた。スカートではなくジーンズなのは、やはり昨日の破瓜の影響なのだろうか。  おれも病院着とやっとオサラバして、今は母さんが持ってきてジーンズとグレーのパーカーを着ている。服の下のおれの肌に、香奈もたくさん触れた。  おれたちは昨日、ここで触れ合った。おれは香奈と、ここでエッチをした。目の前にあるピンクの柔らかい唇を、何度も何度も奪った。  気付くと、知らぬうちに香奈の顔を凝視していた。 「な、何睨んでんのよ」香奈の頬が赤くなっていたのはきっと、見間違いじゃない。 「あ、ああ、悪い」おれは慌てて下を向く。 「ほら、せっかく西さんも来てくれたんだから、感謝しなさいよ」香奈が、手招きをした。
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