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自分が人型をした狐の姿になってしまった事実を知ると瑞希は精神的ショックにより、その場で気絶してしまった。
瑞希の気絶に心乱す優子。そんな優子へ険しい面持ちでこの場からの移動を促すのは、瑞希の姿をした冷静なレナだった。
瑞希の家族に不信感を抱かせぬ為、優子のではなく、瑞希の家へ向かうこととした。
瑞希が家へ帰ったことを家族に認識させ、レナは堂々と部屋にこもる。気絶した本物の瑞希を背負って窓から入った優子は、直ぐ様部屋のドアに『人避けの術』を掛けて、家族が入って来ないように施した。
瑞希をベッドに寝かせると、優子はレナと状況確認を始める。
瑞希が知るはずもない戦巫女としての優子に関する情報が、その口から出る度、改めて魂が入れ換わったことを思い知らされた。
覆面の集団は何故、一般人を巻き込んでまで悪質な悪戯をしたのか。それを二人で考え込んでいると、ベッドで横たわる虚ろな瞳の視線を感じた。瑞希が目覚めた。
優子から体調を心配されているのに対して、瑞希は平然としている。
意識がもうろうとしながらも平然としていられるのには、今の状況が夢の中のことである確信をしていたからだ。
なぜならば、瑞希の視界に優子と「自分」が居て、話しをしていたからだ。
瑞希のあまりにも自然な様子にレナが耳打ちする。
それを受けて優子が気絶した理由を瑞希自身に訊ねると、気絶自体を覚えていない上に、「現実の自分」は気絶中なのかと、笑って答えた。耳打ち通り、状況が分かっていない。
呆れている優子に、レナがこの状況を上手く使って少しずつ状況説明することを薦めた。
神様を信じるか。
いきなり優子が怪しい宗教の誘い文句のような言葉を唱えたため、当然、思考が停止する瑞希。
そんな反応に構わず、優子は話を続ける。
この国では、昔から物、自然現象、病、噂などに霊が宿ったことで生まれる化物を善くも悪くも総称して『神様』と呼んできた。
そんな神様には三種の階層がある。
最下層は「妖怪」。霊が宿って直ぐの神様がほとんどそう呼ばれる。
次の階層は「神使(シンシ)」。妖怪として生まれたものが時を重ねて成る階層であり、人と神様を繋ぐ仕事をする。
最後に最高層の「神」。神使から更に時を重ねて成り、土地から、縁から、災害まで。様々な役割を持ち、幸福や災いをもたらす一番有名な階層。
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