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そんな神様の内にも、夜な夜な人の世へ余計な災いなどを与えて悪戯をしに現れる厄介な神様達がいる。
それらを『悪神』と呼び、悪神に神様の國へ還って頂くことを仕事としている戦闘に特化した巫女を『戦巫女』と呼ぶ。
優子は高校入学と同時に、その戦巫女になり、今日まで相棒の神使と共に夜の町を悪神から守っていると説明した。
そこまで話し終えた優子に、夜のお仕事をねぎらう言葉を添えた瑞希。のんきな発言に優子は頭を抱えてため息をこぼした。
今まで話したことも、いまだに夢の中の出来事だと思っているかと思うと、どのように真実を切り出したらよいのか。
しかし、言い出しづらいからといって先送りにするべきではない。優子が本題に入ろうと話を続ける直前、瑞希はしかめっ面の優子を和ますために話題を振った。それはとても素朴な疑問の投げ掛けだった。
先ほど、夢の中の自分と険しい顔をして何を話していたのか、ということ。
まさかの真実を話す絶好の機会に顔を見合せる優子とレナ。
互いに視線で確認して、二人で瑞希の瞳を目掛けて顔を近づける。そんな二人の威圧感に仰け反る瑞希。
優子は相棒の話を始めた。
優子の相棒は人の形をした狐の神使で、名を狐神レナ(キツネノカミ れな)という。そして、今、レナは優子の親友と体を取り換えられてしまったと、告げる。
すると、瑞希の脳裏に大事な出来事がフラッシュバックされた。
待ち合わせした公園で優子と話が食い違ったこと、自分達の周りを覆面の人間と化物が取り囲んできたこと、いつの間にか気絶して、目が覚めたら、公園の噴水の水面に映った自分の姿が、化物へ変えられてしまったこと。
優子は申し訳なさそうに、手鏡を瑞希に渡した。
優子は憶測を述べる。戦巫女として優秀な優子に嫉妬した同業者の悪戯で、魂を入れ換えられたのではないかと。
説明を終え、レナに瑞希を見るよう促されると瑞希は手鏡を握ったまま、再度気絶していた。
瑞希が目を覚まし、夢ではないことを説明すると、暫く混乱した瑞希を放置する。思考がパンクしたところで、落ち着いた瑞希と今後の方針を話した。
レナには『透明化』する能力がある。瑞希にはそれを使いながら、元に戻る方法が見つかるまでの間、瑞希の姿をしたレナの隣で通常通りの生活をして、周囲に怪しまれない様に行動してもらうことを頼んだ。
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