課題2

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 瑞希の正直な心の叫びが伝わったレナは、本音を告白し始める。  いつも優子の陰から見ていた学生生活。もしかしたらそんな学生達の輪のなかに入りたいという願望があったのかも知れないと。  その告白に、少々考えさせられた瑞希。今日の瑞希のような歯痒さを感じながら、毎日、優子を見守っていたのかと想像する。  翌日、慎ましく過ごすことを誓うレナに、少し位は自由にしても構わないと気を許す瑞希。  レナには悪気がないのだから仕方がないと観念したのだ。  その日もレナは王子様っぷりを発揮しながら放課後を迎えようとしていた。  すると、一人の女生徒がレナを図書室へ誘う。  それは瑞希の憧れている女生徒からの誘いだった。そのため、瑞希は浮かれてしまい、レナへ了解するように勧める。  女生徒は失恋で落ち込んでいて、話せる相手を求めていた。そこへ、王子様のようなレナが分け隔てなく話を聞いてくれるという噂を知り、愚痴をこぼしたくなったそうだ。  瑞希の気持ちも汲み、愚痴が尽きるまでレナは話を聞いた。愚痴を漏らす最中、女生徒の言葉に頷き続ける瑞希。  女生徒の愚痴が尽きると、レナは軽く微笑んだ。それは面倒な愚痴聞きが終わった安堵の表情だったのだが、完全に他意のないものだったのだが、女生徒にはキラキラ輝いて見えていた。社交辞令と瑞希の気持ちを汲んで、元気であってほしいことを語るレナの凛々しさは、このすぐ後、裏目に出る。  女子生徒は頬を赤らめて、あろうことかレナに、瑞希の姿のレナに愛の告白をし始めた。まさかの同性愛に目覚めさせてしまった事実に、瑞希もレナも絶句。二人揃ってその場に、一、二秒ほど立位で気絶。  レナは最後の力を振り絞り、告白の答えは持ち越すことを伝えた。照れながら満足そうに去っていく女子生徒をよそに、二人は学校生活や人間関係の難しさに燃え尽きて、その場で崩れ落ちてしまった。  そこへ優子が帰還する。泣きつく瑞希をあしらい、事件の収穫が無いことを報告する。と同時に戦巫女の最大の仕事である夜回りをこの三人で始めようと提案した。  しかし、二人の精神状態がそんな話どころではなく、噴火した山のように嘆き狂う瑞希と発達した台風のように冷静さも吹き飛んだレナに、優子は仕方なしに二日間の出来事を聞かされた。
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