10年遅れのクリスマス

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もうずいぶん前のクリスマスのころの話です。

ある私立高校の校長室で、仕事で話を聞くために待たされていた私は、ローテーブルの上にあった卒業文集を何気なく手に取りました。

アメリカの高校生は卒業アルバムに一人丸々1ページを渡され、好きなように使っていいといわれます。

たいていは自分や家族や友人の写真で埋め尽くすのですが、その中に1ページだけ、後姿で街角に佇む1枚のモノクロの風景写真とともに、一行だけ言葉が添えられているものがありました。

It’s such an insane world, but I’m glad to be a part of it.

こんなとんでもない世の中だけれど、それでもその一員であることが嬉しいよ

とても深く印象に残りました。今でもこうして正確に覚えているくらいに。

調べてみたけど、誰か有名人の言葉や詩や歌詞の一部じゃないようでした。

18歳の心の声だったのかもしれません。