10年遅れのクリスマス

「きゃー！　これ、」

「そのキャラ好きだろう」

「ん、でもサンタ帽バージョンは初めて見た！」

「なんか他のどのプレゼントよりそのちっこいのがいいみたいだなあ」

さっそくストラップを携帯につけてプラプラさせてみせた私に、呆れた顔をして哲が笑った。

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「どうしたんですか、環さん」　

先に数歩行ってしまった綾菜がいぶかしげに振り返る。

「このレストラン、まだあったんだ、、、」

「あ、このベトナム料理の店？　このあたりじゃもう老舗ですよ。麺類がおいしくて、私、大ファンなんです！」

窓越しに見えるテーブルとか椅子とかはおしゃれになってるけど、ドアの位置とか店の看板が、、、10年前のあの頃のままだった。