序章

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それは亡霊だった。 科学が横行し、あらゆるものが科学により解明され、超能力や亡霊、非科学が否定されて当然の世の中だった。 しかし、そこへ1人の日本人の男が現れる。 男は「亡霊を行使する者」を名乗り、胡散臭い格好にまともだと言われた者達は「ふざけるな」と憤怒した。 男は言った。 「亡霊の力があれば奴らをねじ伏せられる。」 怪物に対して最新の兵器も効果が低く、そもそも何故、兵器を使う訳でもなく単純なる暴力を振るい続ける怪物に通用しないのか、科学も意味を成さなかったのだ。 それらの意味合いが、至極単純に選択の幅を狭め、混迷を極めた世界政府に選択の余地は無かった……。 決断に至った。 怪物に立ち会った男が謎めいた呪文と日本刀を奮うと、怪物達は倒れた。 ある者は無様に自ら首を括り、ある者は体を破裂させ、ある者とある者はお互いを切り裂いた。 効果があったのだ。 科学が非科学を打ち破り、怪物達は排除される。 この力に世界は歓喜し、男は一躍、時の英雄となる。 ……………。 …………………。 はずだった…………
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