第1章

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僕が次に目を覚ましたのは、あまりにも白々しい部屋の片隅のベッドの上だった。カーテンの間から差し込む陽射しがいやに眩しい。陽射しのせいか、はたまた他に何か要因があるのか。視界はぼやけ、意識も朦朧としていた。視界がぼんやりしているのは、きっと眼鏡がないせいだろう。 僕の記憶を軽く漁った限り、ここは見たことのない場所だ。一体何故、僕はここにいるのか。 確か、僕は昨夜小腹が空いて、近くのコンビニまで原付きで行ってーー、それで、どうしたんだっけ?夜中に何かをしたような気がするけど、記憶に霧がかかっていてよく思い出せない。記憶に混濁がある。 いや、正直に言おう。 ーーそんなことは思い出すな。 僕の心は知らずそれをタブーにしていて、奥にしまい込んでいた。そのタブーが何たるかを知りたかったが、その施錠は脆いようで岩のように固く、僕だけの力だけではどうにも出来ないみたいだった。開けるには、何か外的要因がいる。 ならば、まずここがどこか知るべきだろう。
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