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妖怪ぞろぞろ
僕は小学校から帰ってお爺ちゃんの家に来ていた。
隣町に住んでるお爺ちゃんは昔の事をたくさん知っていて、僕に色々教えてくれた。
「今日は一人で来れたのか!偉いのう。
よしじゃあ今日は妖怪の話しをしてやろう!」
「わあい!妖怪大好き!
ところでお爺ちゃん、妖怪って何??」
「何じゃ知らんのか!?じゃあ好きとか言うなよ!!
まぁ仕方無い、教えてやろう可愛い孫よ。
道具や家具をまだ使えるのに飽きて捨ててしまうと化けて出るんじゃ。
唐傘お化けや化け提灯となって持ち主の元に帰って来るんじゃよ。」
「唐傘お化け??僕見たこと無いよ。」
「まぁ今では紙貼りの傘すら滅多に無いからお前にはピンと来ないかも知れんのぅ。」
お爺ちゃんが頭をポリポリ掻いて首を捻っていると、突然家に誰かがやって来た。
『私ハマダ使エマス!!捨テ無デ!!』
見ると、足の付いた歩くビニール傘が玄関に立っていた。
『電化製品ノ処分ハ業者ニ依頼シテ、然ルベキ方法デ廃棄シテ下サイ!』
すると次はLED照明が、
『アナタヲ乗セテ走リタイ!棄テ無イデ!!』
セグウェイが、洗濯機が、冷蔵庫が。
ぞろぞろと家電機械がお爺ちゃんの家に押し寄せて来た。
「あちゃー、故障したロボット家具達を捨てたんじゃが…
何と自力で帰ってきおったか!!」
「なーんだ、妖怪ってロボットの事だったんだ!!」
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