九人の罪人と一人の探偵。

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九人の罪人と一人の探偵。

ここは、とある山奥。今宵、この別荘の一角にて罪を犯し、逃げ延びている犯罪者達の宴が催されていた。 「俺は5人殺して逃げ延びたんだ。お前も強盗したんだって??え??」 髭面の醜悪な男…知った顔だ。1億円強盗事件の犯人で、全国指名手配された男だ。 「俺は空き巣に入った筈の家で家主と偶々鉢合わせして、弾みで刺したんだ。殺すつもりは無かった…!!」 俺はそれだけ告げて口を噤んだ。 思い出すと罪悪感が押し寄せて来た。 「何だ初犯か、ちっぽけだがまぁ数をこなせばそんなものは気に成らなくなるぜ。どうだ、俺と組まねぇか??」 この男は、一億をせしめて尚、罪を重ねるのか。 もしや使い切ったのか?? 「俺は連続強姦殺人で逃走中なんだ。文字通りヤリ逃げだな!!スリルと快感が堪らねぇぜ!げへへ!!」 「あら、私は殺し屋なの。ベッドで極上の快楽を与えた後、極楽に逝かせてアゲルって訳。うふふ、今夜どう??どちらが先に果てるか試してみる??」 向こうのテーブルでは獣じみた強姦魔と殺し屋を名乗る蟷螂女の駆け引きが繰り広げられている。 「私に依頼下さればロリからBBAまで、好みの女を連れて参りますよ!!」 「女は飽きたでぶぅ。次は是非ショタを…!!」 あちらの席では監禁魔が委託誘拐犯と交渉の真っ最中だった。 「所で、処分した少女の写真は無いのですか??勿論、死体のです。私は死体にしか興味を抱かないのですよ。出来れば綺麗な断面図であれば至極良い…!!」 猟奇惨殺犯が身を震わせて会話に混じる。 「そんな事よりあなた達、洗剤買わない?」 グレーのスーツを着たオールバックの男が仕切りに洗剤を勧めて来る。多分、詐欺師だろう。 「どうも手違いがあった、一人多い…。」 突如パーティー主催者の黒服、ヤクザが探偵が紛れ込んだ可能性を示唆する!! 「な、何だってー――!?」 一同は騒然。 山奥のペンションに雷鳴が鳴り響く。 「畜生!!」 強盗がドアに手を伸ばす。 「どこに行く、外は嵐だぞ!?」 「馬鹿野郎、探偵なんかと一緒に居られるかよ!!」 落雷!! そして停電。 この夜、最初の被害者が出るのだがこれはまだ事件の序章に過ぎなかったのである。
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