始まりの日

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廉は圭が鬼へと向かっていくのを見ていた。 彼は怒っている。廉は昔から彼を見ていたが彼は冷静で人には冷たかったが誰かが傷つけられたりすると静かに怒った。また顔に出さなくても怒っているときなどは鼻の傷が赤く染まっていた。 (昔から変わらないなぁ、圭は‥‥‥、そして私も無力なまま。何とかして彼の力になりたい、私は‥‥‥!) すると木刀が目の前に刺さる。そしてわき腹の痛みが急に引いたのだ。何事かと廉が思っていると、 「ったく、だから無茶するなって言ったのによ」 結斗が隣に立っている。右手には何かの符を持ち、左手で頭をポリポリと掻いていた。 「ありがとう、結斗さん……」 「いいから、あのバカの所いってきな」 廉は立ち上がると結斗に一礼し、大きく深呼吸する。そして木刀を構えると、 「私ならやれる‥‥‥!いざ!」 そして剛鬼に向かって駆け出す。剛鬼は近づいてきた彼女に気づくと、 「まだ来るか嬢ちゃん、だったら潰してやるよ!」 金棒を振り上げたが、廉に叩きつけようとしたが廉はそのまま鬼に近づくと、 「せいやっ!」 その金棒を木刀で横一閃に薙ぐ。すると木刀ではなく金棒がそのまま砕ける。 「何‥‥‥!?そんな馬鹿な!」 「行けっ!圭!叩き込みなさいっ!」 廉が横に逸れると、圭はそのまま鬼へ向かっていき、 「これで終わりだ‥‥‥!」 顔面に右の拳を叩き込んだ。圭の渾身の一撃を受け、剛鬼はそのまま吹っ飛んでいく、そして地面に倒れる。 そのまま地面に倒れた剛鬼は、ゆっくりと体を仰向けにし空を睨みながら、 「馬鹿な、俺の野望が‥‥‥」 そう言い残し塵となり消えた。それを見届けた圭は廉に駆けよると、 「何とか勝てたな。大丈夫か廉?」 「うん、何とか、ね……」 そう言うと廉は倒れた。消えゆく意識の中で、廉の名前を呼ぶ圭の声を聞いて、彼女の視界は真っ暗になった。
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