ゴッコさん(1)

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【長編:夏だ!海だ!ハワイ旅行(2)】 8月2日。旅行出発当日。 リビングには、思い思いのものを詰め込んだ鞄を持ったマイロたちが並んでいた。 「さて、そろそろ出発するけど忘れ物はない?」 「勿論!着替えもゲームも全部入れたで!」 自信満々に言うマイ子の声に、アイ子の耳が唐突に動く。 「…ねぇマイ子、ちょっと確認していい?」 ゴッコはそれに気が付くと、おもむろにマイ子の鞄のファスナーを開く。そこに入っていたのは、 「…このペットボトルは?」 一本のペットボトルだった。ラベルには、『シュワッとスカッシュ!アセロラ・カシスソーダ』と書いてある。 「私のお気にのジュース!ハワイ行ったら暫くこれともお別れやろ?だから、持って行けば無問題ってわけや!」 自信満々に、若干踏ん反り返りながら言うマイ子にゴッコは呆れ返った。 「…あのさ、マイ子。飛行機って液体持ち込めないの知ってた?」 「…えっ?」 …ああ、その反応。やはり知らなかったようだ。…まあ、マイ子だからな。 と思ってたら。 「え、そうなのか??」 後ろから聞こえてきた声に振り向くと、そこには日本酒入りの一升瓶を自分の鞄に入れようとしている四女、ネイ子の姿が。ネイ子よ、お前もか。 その後何とか2人を納得させ、ジュースと酒は家に置き、空港へと向かった。 因みにあとで調べたのだが、鞄をスーツケースにするか、ジップロックしておけば手荷物として持ち込み出来るらしい。でも2人には秘密にしておこう。絶対あとでど突かれるからね。
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