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俄かにクラスがざわつく。クラス委員に自習を指示して、教室を出る。
「おい島、しっかりしろ!」
「御子柴、島は何か持病でも抱えてたのか?」
仲の良い有人、いわば親友の間柄と知っていたので、何か知らないかを尋ねる。
「これ以上ない位の健康体そのもので、他に取り柄もないやつですよ」
ついぞ発作だの何だのがあったなど聞いた試しもない。御子柴としては、何か悪いものでも食べたのだろう程度の認識しかなかった。
「階段気をつけろよ。呼吸はしている、そこまで危ない状態じゃないはずだ」
意識が無くとも呼吸さえしていたら大事には至りづらい。そのあたり、一通りは教員になる際に講義を受けていた。
二人で苦労して医務室へとやってくる。ノックすることなく「急病人だ」扉を開いて連れ込む。
保険医が立ちあがり、ベットへと運ぶように指示した。
「どうしました?」
「授業中に寝ていると思ってみてみたら、意識を失っていたんだ」
担当教師がどこかにぶつけた等ではないことを説明する。
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