今日は作者が精神的にアレだから

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「ちょっと部屋が賑やかで。そっちは?」 「俺か、うーん、世話焼きの一環だ」 「何かしらそれ? あそこに座りましょうよ」  並んでいる椅子を指して誘う。冴子が座った隣に島が座る。当時なら対面に座っただろうなと、ふと思う。 「修学旅行楽しんでるか」  問い掛けではない、どちらかと言えば同意を確信した一言だ。 「最高の想い出になりそうよ。……龍之介君、なんか変わったよね」 「どんな風にだ?」 「凄く余裕ある。どうしてかしら、急にそう感じられて」  外面は同じでも内面は別人、とまでは言わないが同じではない。敏感に感じ取ることが出来たのは、彼女が島に何かしらの感情を抱いていたからだろう。  ――別に俺は学生時代に戻って冴子と結ばれたいわけじゃない。俺の知ってるあいつは理事長として学園を、俺達の想い出の場所を守る役目を生き甲斐にしている冴子だ。 「誉められたんだよなそれは。有り難くお言葉頂戴しておくよ。何も変わっちゃいないさ」 「勘違いかしら?」 「あ、いたいた。佐伯さん、先生が呼んでるよ」  エレベーターの先で友人が彼女を呼ぶ。島も部屋に戻ることにした。
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