星がまたたく

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工事車両が何台も連なって停めてある。その前後で交通整理の誘導員が誘導灯を振っている。 寛司は横断歩道で立ち止まり、マスクを外した。手袋を脱いでコートのポケットからタバコを取り出す。 吐く息がタバコの煙と変わらないほど白く流れた。 工事標識には【ガス管取り替え工事】と書かれている。この工事は深夜の時間帯だけ施工されるようだ。 工事用の照明が高い位置で光を放っている。 片側2車線、右折レーンを含め全幅5車線の交差点付近での作業は危険だ。そこをどう捌くかが誘導員の腕の見せどころと言えるかも知れない。 路面を切って、深さ幅とも、2mほどの溝が掘られている。工事は片側2車線分ずつ、2回に分けて進められるようだ。 横断歩道を渡った先には交番がある。その後ろは公園だ。 信号が青に変わった。 誘導員が誘導灯を振って道路を渡るよう促している。 寛司はマフラーを巻き直して歩き出した。 マフラーは響子からの贈り物だった。
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