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冥菜「…ふー、寒いねえ。」
「…うちの事務所小さいからなあ。暖房も節電節電。」
結衣子「マネージャーさん、アイドルの体は慎重に扱うべきですよ。」
…俺の名前は赤井零矢(あかいれいや)。20歳。叔父がたてあげた芸能事務所のマネージャーをしている。
所属するアイドルは一人、事務員も一人。…ビックリするぐらいの小さな事務所だ。…いや、事務所と呼べるのだろうか…
冥菜「あーあ…大きな仕事が来たと思って張り切ってたのになあ…暇になっちゃった…」
結衣子「出るはずだったアイドルがドタキャンすると思ったら、収録直前でとんぼ返り。人気あるから許されるんでしょうけど、うちは大混乱ですね。」
時はアイドル戦国時代。テレビ一つに出るのも中々厳しい。
冥菜「そうだ、零矢君、結衣子さん、何か暖かい物でも買ってこようか?」
結衣子「アイドルの冥菜ちゃんにそんな事させられませんよ。私が買ってきます。」
現在うちの唯一のアイドル、高浜冥菜(たかはまめいな)。20歳。高校時代の同級生だ。顔も性格も悪い所が見当たらない。
社長の叔父の人脈(と俺の力が少しくらいあるはず)で、このアイドル戦国時代でも結構仕事がある。先程一つおじゃんになったが。
冥菜「いいのいいの。結衣子さんお仕事中でしょ?暇になったし、私が買ってくるよ。」
結衣子「冥菜ちゃんがそう言うなら仕方ありませんね。コーヒーとカップラーメンをお願いします。」
「形だけでも遠慮したらどうですか…」
この人は事務員の新島結衣子(あらしまゆいこ)さん。20代前半(本人談)。じとっ、とした目と滅多に表情の変わらない顔が特徴の人だ。
細かな仕事は大体この人がやる。…そのくせにどうでもいい事で面倒臭がる。
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