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冥菜「零矢君は何かいる?」
「いや、俺が買ってくるからいいよ。」
冥菜「いいからいいから。」
アイドルに買い物をさせるマネージャーなんていないだろ…
「頼むから俺に買いに行かせてくれ…アイドルのお前に行かせると、マネージャーとしてのプライドやら何やらが傷つくんだ。」
冥菜「じゃ、一緒に行く?」
「止せよ、私服で男女二人なんてとこすっぱ抜かれたら、有りもしない疑いかけられかねん。」
冥菜「ちぇー、分かったよー。…はあ、歌のレッスンまで時間どうやって潰そう…」
結衣子「急に予定が変わりましたからね。テレビでも見て、研究しときましょう、研究。ほら、ヒルナンスやってますよ今。ヒルナンス。見ましょう。今見ましょう。」
冥菜「結衣子さん好きですもんね。」
…あんたが見たいだけだろ。…とは言わないでおこう。
二人がテレビを見始めたので、厚着をして暖かい物を買いに行こうか。
冥菜「行ってらっしゃーい。」
結衣子「…………行ってら。」
…テレビに集中しすぎて結衣子さんの素がうっかり出てしまったようだ。
「ふー…」
外に出ると、吐く息が白くなる。世間はそろそろクリスマスだ。彼女に縁がない俺にはそこまで関係無いかな…
はあ、と吐いたため息も、白くなって消えていった。
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